
気候
気候変動への対応を加速させる
カーボンフットプリントを削減する
地球温暖化を2℃未満に抑えること。それはすべての人々に関わる問題です。ベルルッティは、2050年のカーボンニュートラルに関する欧州の目標に貢献する目的で、気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)のあとで署名された「パリ協定」に適合し得るプランを採用し、模範となることに尽くす義務があります。製品の設計から流通まで、製造や輸送を含めた各段階において、環境負荷を減らす不断の努力をしています。指標を採り入れることによって、進捗状況を正確に追跡することができます。こうしてベルルッティは、2030年までに温室効果ガス排出量を、2019年との比較で51%削減することを目指しています。

徹底的なカーボンフットプリントを確立する
2019年にLVMHグループを支援したクオンティス社は、メゾン・ベルルッティの3つのスコープ*に関して、カーボンフットプリントの詳細な計算を行っています。また、優先すべき行動手段を特定するための情報収集が強化されました。その結果、排出削減の方向性は、SBTi(Science Based Targets initiative/化学に基づく目標設定イニシアチブ)の基準に沿うことになります。
* スコープは、組織の温室効果ガス排出を調査する範囲を指定するものです。スコープ1は、製品の生産に直接関わる排出を対象としており、スコープ2は、事業所でのエネルギー消費に関連する間接的な排出量を指します。最後のスコープ3は、製品のライフサイクル(資源の採取から廃棄まで)に関連するすべての排出を考慮するものです。
物流の最適化
マニファットゥーラ・ベルルッティと、オルレアン(フランス・ロワレ県)郊外の世界向け物流センター間において、2020年以来トラック輸送が40%削減されています。週の輸送回数が5回から3回に削減されました。

生態系に配慮した場所
世界中の60を超えるブティックで、お客様にシューズやレザーグッズ、 ファッションアクセサリー、プレタポルテのコレクションを提供していますが、メゾンの心臓部はイタリアのフェラーラにあります。それが、シューズとレザーグッズの生産に特化したマニファットゥーラ・ベルルッティです。ベルルッティの活動に関連するあらゆる場所において、クリーンエネルギーの使用を奨励し、その消費と廃棄物の発生を制限するよう努めています。
マニファットゥーラ・ベルルッティ、ISO14001認証を取得
いまやカーボンパフォーマンスこそが、マニファットゥーラ・ベルルッティの将来をつかさどる意思決定の中心です。2021年に実施された一連の審査を経て、この8,000m2の施設はISO14001認証を取得しました。この認証は、環境マネジメントシステムを実行する枠組みを明確に定義したものであり、環境と天然資源のいっそうの効率的な使用に対する組織全体のコミットメントを示すものです。


再生可能エネルギーの選択
本社、フランスのビスポークのアトリエ、およびマニファットゥーラ・ベルルッティは、EUが定める「原産地証明」に基づき、再生可能エネルギーの調達を選択しています。
ブティックに関しても段階的に同様のアプローチを進めていきます。フェラーラにあるマニファットゥーラの屋根には、ソーラーパネルが設置されています。
2022年末までに、本社の70%が再生可能エネルギーで賄われます。
エネルギー消費の把握
メゾン・ベルルッティの施設やブティックの4分の1は、すでにSmart Impulse社のメーターを装備しています。フランスのベンチャー企業が開発したこのスマートメーターは、電力の消費を分析するために最先端のアルゴリズムを使用し、実際のニーズに最適化させることができます。こうして消費電力を平均15%削減することができるのです。


LEDは生活をいっそう美しくする
LEDの寿命は2~5万時間と考えられており、コンパクト形蛍光灯に比べて消費電力を60%削減できます。LED照明を選択することは、環境の観点から最も合理的です。また、体内時計のリズムに合わせて光量を調節することができるため、従業員たちの視覚にとって最も快適な環境を提供することもできます。そのため、すべての施設やブティックにおいて導入が進められています。
廃棄を減らす、スマートに廃棄する
2021年に排出を回避できたCO2の重量は、30トンです。これは、フランスのメゾン・ベルルッティ施設において廃棄物をリサイクルすることで達成されました。

プラスチックの代用品
ブティックでお客様にご提供するボックスやショッパーには、プラスチックが一切含まれておらず、環境に配慮した方法で管理された森林から作られる紙、紐やコットンフェルト。ブティックでお客様にご提供するボックスやショッパーには、プラスチックが一切含まれていません。化石燃料に由来するプラスチックの使用は、段階的に廃止していきます。物流用の梱包材の半分が、既にリサイクル段ボールとコットンフェルトから作られています。シューズやレザーグッズの発送に使用される気泡緩衝材には2022年から、プレタポルテ製品の保護と輸送に使用されるカバーと同様に、植物由来のバイオプラスチックが採用されています。

2030年までにバージン・プラスチックゼロ目標
バージン・プラスチックとは、石油から直接作られるプラスチックを指します。リサイクルの推進やバイオプラスチックへの代替を通して、この素材の利用は段階的に減らしていきます。
PET(ポリエチレンテレフタレート)ボトルを廃止する
フォーブル・サントノーレのブティックで、パイロットプロジェクトが実施されています。お客様に配布するペットボトルの水を、不純物や後味を除去し、天然ミネラルを残すノルダック製法による超濾過水道水に置き換えました。洗浄できる水差しとグラスでサーブされ、衛生上の理由でリサイクル可能なキャップがつけられています。このイニシアチブの成功により、食洗器が設置できるすべてのブティックで、さらに広範囲な展開が期待されています。
