ベルルッティが、優雅に時を超える靴を生み出す技術に秀でているならば、それを履くときにもふさわしい作法というものがあるはず。すぐにほどける可能性のある平凡な靴紐の結び方など、ふさわしいとは言えません。
ベルルッティ結びのインスピレーションは、ウィンザー公の執事からオルガ・ベルルッティにもたらされたという話があります。フランスとイタリアをルーツに持つメゾンの後継者と、スタイルの象徴となった王子との間には、自然にアイデアが巡っていました。
メゾンの忠実な顧客であり、そのエレガンスで有名だったウィンザー公は、彼の名を冠した有名なネクタイの結び方を広めました。彼の靴には、軍事パレードや公式な式典で靴紐がほどけないよう考案された、祖母であるアレクサンドラ・オブ・デンマークから学んだ二重ループの結び目が使われていたのです。