
シルクのネクタイ、それともニ
ット素材のネクタイ?
ネクタイはメンズウェアにおける過ぎ去った日々の名残かと思いきや、今では身につける人のエレガンスと趣味の良さを表すシンボルともなっています。
メンズのネックウェアの中でも最もクラシックなのが、なめらかなシルクのネクタイです。ベルルッティでは、このブランドの特徴とも言える、同じ生地を使って裏打ちするやり方を採用し、ファイブフォルド構成にします。
こうすることによって、よりしなやかで硬直感を和らげた外観が生まれます。ベルルッティのネクタイすべてに、「スリップ・ステッチ」が付けられています。正確に言うとネクタイを製造中、縫い合わせる際に、幅の最も狭い部分の指が届く位置にループを残しておくのです。このループは、身に付けることによってたるんだ生地をそっと引っ張り、ネクタイの形を整えるために用います。

非常に優れたネクタイ生地と言えばシルクですが、ウールやカシミヤの人気も高まりつつあります。こうした素材もシルクと同様、ベルルッティが複数の理由の下販売を開始した、ニット素材のネクタイコレクションにてご覧いただけます。
長年敬遠されてきたニット素材のネクタイが、今日のメンズウェアにおいて復活を果たしつつあります。1920年代に初めて登場したニット素材のネクタイは、60年代と70年代にはエレガンスの代名詞となりました。しかしその後、ニット素材のネクタイは男性のワードローブから事実上消え失せました。特徴的な四角い端を持つニット素材のネクタイは、撚糸ではなく編み糸から作られます。このため、堅苦しすぎないリラックスした印象を演出することができるのです。スーツと合わせると、なめらかなシルクのネクタイを締めた時のかしこまった感じよりも、フォーマル感の和らいだ雰囲気を作ることができます。カジュアルなスーツに洗練さを添えることもできます。