ヤン・クヴルール:甘さと精確さとが出合う地点

ヤン・クヴルール:甘さと精確さとが出合う地点

「Dans les pas de(~の足跡をたどって)」の新たなエピソードのゲストは、ヤン・クヴルール。彼はパティシエであり、クリエイター、職人、そして何よりもストーリーテラーです。彼の言葉は、テクスチャー、色彩、感覚で語られます。黄金色のキャラメルからミルフィーユの繊細な層に至るまで、彼のすべてのクリエーションは、厳密さと自由、本能と意図が対話する作品なのです。

自身のメゾンを立ち上げる前、ヤンはパリの名だたるキッチンで腕を磨きました。しかし、彼を特徴づけるのは技術以上に、食への欲求と節度、シェフとしての規律とアーティストとしての自発性、その間で保たれる絶妙なバランス感覚です。この調和を求める姿勢は、まさにベルルッティの精神「正しく、美しく、真正に行われる技術」と響き合っています。

マディ・プーレによるインタビューで、ヤンは「すべてが始まり、すべてが還る場所」である自然への魅了について語ります。異国から届くバニラビーンズ、バターと砂糖の香りに満ちた幼少期の思い出、そして素材を感動へと昇華させるための忍耐。彼は、あらゆるクリエーションに欠かせない秘密の材料として「時間」を挙げます。理解し、感じ取り、そして完成させるための時間です。

そして、そこには精確で静かで本質的な「所作」があります。靴を磨き上げる手つき、グラサージュをかける動き、世界を形づくる手仕事。いずれにも同じ精神が宿ります。パティスリーのカウンターとパティーヌのアトリエ、その間には共鳴するものがあるのです。それは、手と心から生まれる美しさ、そしてその所作に努力を惜しまないことです。

ヤン・クヴルールの「Dans les pas de」では、甘味が構造と出会い、シンプルさが芸術へと昇華します。その語り口は、エレガンスも味わいも過剰にではなく、バランスと意図、そして静かな創造の喜びにこそ宿ることを私たちに思い出させてくれます。

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