ローファー〈アンディ〉の真実:by Frédéric Beigbeder

一説によれば、アンディ・ウォーホルは白いソックスとともにそれを履いていたと言われています。ああ、アメリカ人らしいですね……。ベルルッティのアイコンであるローファーは、今や彼の名前を冠しています。そのシンプルさは歴史的で、まるで黄色いバナナが描かれた「ヴェルヴェット」のレコードジャケットのようです。ウォーホルは複雑さを気にしませんでした。彼がデッサンした甲の高いスクエアトゥは、まるで銃士の靴を思わせます。アンディはファクトリーのダルタニャンになりたかったのでしょうか。私が初めて手に入れたアンディは、グリーンのパティーヌが施されたブラウンでした。


私を魅了したのは、この不自然なほどスクエアなトゥでした。サッカーが下手な選手をからかうとき、「足が四角い」と言うものです。友人たちは私の靴を「木靴」とからかいました。しかし、それこそがダンディズムのこだわり。足が四角いことこそ、私の生き方なのです。秋色の光沢を帯びたパティーヌが、靴にさりげない反骨精神を与えてくれました。まるでいつも枯葉の上を歩いているような感覚でした。30年経った今も、私はこの一足を履き続けており、歩くたびに色が変化します。


 世界が均質化していく中で、私の抵抗の仕方は、他の人々と同じ靴を履かないことです。スノビズムは一種の政治的行為、つまり服装の画一化に従うことを拒む姿勢です。パティーヌによって、すべてのアンディは世界で唯一無二の存在となります。ワックスのきらめきは、この“歩行者の乗り物”をカスタマイズするものです。私は他にもアンディのローファーを所有しています。ひとつは赤みがかったパティーヌの黒、もうひとつはつま先が濃いベージュで、バハマで再婚したときに履いたものです。


その履き心地は素晴らしく、まるでレザーのエスパドリーユのように素足で履き、靴下代わりに砂を感じながら、できればダメージジーンズと合わせるのが好みです。私はよく、見知らぬアパートで汚れた服のまま目覚めることがありましたが、私を救ってくれたのはいつもこのローファーでした。アンディは、夜の空中ブランコ乗りにとってのセーフティネットなのです。

私が初めてオルガ・ベルルッティのアトリエを訪れたときのことを覚えています。場所はマルブフ通り26番地。当時、私は時流に乗った広告マンで、同業者は皆白いスニーカーを履いていました。私はおずおずといくつか試着をしました。そのときオルガが教えてくれたのは、1963年にポップアートの王者がこの伝説的な靴を、やはり四角いであろうテーブルの端でスケッチしたという話でした。オルガはこの靴を、ワイヤーに身体を擦り付けるほど反骨心にあふれた牛の革で仕立て、その傷跡を残したのです。


反骨心あふれるカウレザーのローファーという発想は、私の中に強く残りました。アンディのスタイルは私に感染し、30歳の私はシャンゼリゼ通りをベルベットのスーツで歩きながら、自分が“越境者”のモデルになったように感じていました。この靴はまるで上質なワインのようで、歳月を重ねるごとに味わいが増していきます。自分自身についても、そう言えたら良いのですが。オルガは、靴を磨く際に唾をつける方法も教えてくれました。ラグジュアリーとは唾液の問題でもあるのです。あるいは、ドン・ペリニヨン・ロゼをワックスに垂らして磨くことも。h.


こうして、あなたのアンディもあなた自身と同じように芳香をまとい、酔いしれることでしょう。マルブフ通りの奥の部屋で行われた長いパティーヌ作業のあいだ、円を描く布によってローファーはヴェネチアンミラーのような輝きを放つようになりました。歩くことは芸術です。私がオルガに惹かれたのは、彼女の真剣さでした。彼女は無表情でユーモアを見せるタイプで、私はそういう人が大好きです。当時の私は、人に口説かれるのが好きではありませんでした。なぜなら、「売る」というのが私の忌まわしい仕事だったからです。 

 この物語の教訓は、「足元をいい加減に扱ってはいけない」ということです。歩くという行為は、決して軽んじてよいものではありません。誇りを持ちましょう。立って歩くことこそ、私たちが霊長類と異なる点なのですから。アンディ・ウォーホルは「美は知性の証だ」と語りました。エレガンスは偶然生まれるものではなく、「スプレッツァトゥーラ」とは、計算し尽くされた無造作さのこと。シックであるためには、努力しているように見せてはいけません。どうか誰にも言わないでください。無頓着さは、よく守られた秘密なのです。私たちは、人生を巧みに浪費するための方法論を必要としています。


アンディは「買う」ものではなく、「迎え入れる」もの。履くのではなく、「住みこなす」ものです。そして、人生は祝祭であり、スタイルとはすべてを失ったときに最後に残るもの。そう悟った者だけが入れる、限られたサークルに仲間入りを果たすのです。特に、この逸品を手に入れた後、銀行口座が空になったとしても。それはまた別の話ですが。

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