もともと絵画の領域で用いられていたこの言葉は、17世紀以降、キャンバス上で時間の経過を表現するこの優美な色合いを指すようになりました。ベルルッティにとって、パティーヌは完全なるアートであり、カラリストの才能を表し、お客様の個性を表現するための言語なのです。
もともと絵画の領域で用いられていたこの言葉は、17世紀以降、キャンバス上で時間の経過を表現するこの優美な色合いを指すようになりました。ベルルッティにとって、パティーヌは完全なるアートであり、カラリストの才能を表し、お客様の個性を表現するための言語なのです。
パティーヌは、サヴォアフェールである前に、視線と手が司る領域です。すべては、蒸気を当てることから始まります。これによってステッチを際立たせ、ソールに沿って、アイレットを囲みます。お客様が選んだメインカラーが、コントラストとして刻み込まれます。職人が水と着色したワックスを交互に塗布し、鮮やかなニュアンス、優美な立体感、生き生きとした深みが生まれるまで繰り返し、そうして少しずつ、絵画が形を帯びていきます。
透明感を左右するグラサージュ(艶出し)仕上げにより、華美すぎない、完璧な輝きがもたらされます。
画家が色とりどりの絵の具を並べるように、メゾンのカラリストも60色ものカラーレパートリーを持ち、そのカラーパレットは組み合わせることによって何倍にも広がります。「モガノ」、「トバコ」、「ネロ・グリージョ」、「カルメン」など、イタリアの画家、ブロンズィーノがキャンバスに描くレッドやブルーの背景のように、グラデーションが光と影の間で対話します。パティーヌはその一つひとつが色彩の旅であり、熟練のカラリストの直観と、オーダーするお客様のイマジネーションとが融合することで実現します。