ベルルッティは、スタイルと創造性のメゾンです。優れた職人の技を受け継ぎ、最高級の素材を用い、絶えず革新と探求を続けることを誇りとしています。しかし、ベルルッティは決して控えめではありません。主張することにも誇りを持っているのです。

ベルルッティのスタイルは大胆です。それはパープルやオレンジ、他に類を見ないような深みを帯びたブラウンといった色使いやパティーヌに限りません。大胆さは、デザインのアイデアにも表れています。男性用のハイヒールシューズを提案したり、古い公正証書の手書き文字を拡大して見紛うことのないスクリット柄を生み出したり。長い年月をかけて、これらのアイデアはメゾンを象徴するアイコニックなデザインとして確立されていきました。最新のコレクションも、例外ではありません。

またベルルッティのスタイルは、メンズウェアの確かな歴史と文化に裏付けられるものです。例えば、かつての労働者のジャケットは、深いブルーを帯びた2種類の異なる素材を組みあわせることで、新たな価値を与えられています。フィールドジャケット、トラックジャケット、バーシティジャケット、ミリタリーパーカ。こうしたアイテムもまた、新鮮な素材と洗練された色使いにより、格調高く仕上げられています。 そしてなによりも、ベルルッティのスタイルはさまざまな人に支えられています。メゾンの歴史は、強い個性をもつ人々、象徴的なスター、デザイナーといった人々の才能によって確立されてきたのです。そこには、ベルルッティの運命を内側から築き上げてきた偉大な人々の名前があります。

アレッサンドロ、トレッロ、タルビーニオ、オルガ。そして、ベルルッティに魅了され、決して離れることのなかったさまざまな顧客たちがいます。マルチェロ・マストロヤンニ、アンディ・ウォーホル、ジャン・コクトー、その他多くの著名人たち。そして、ベルルッティの靴を一足ずつ愛情込めてデザインし、削り出し、手作業でパティーヌを施す職人たちがいます。揺れ動くインスピレーションとムードの間に、巧みな筆の運びや非凡な才能の中に、ベルルッティの唯一無二のラグジュアリーが宿っているのです。

歴史を刻んだ逸品

1895 年、靴職人として パリで名を成したいという揺るぎない意志を胸に、フランスへ 向かいました。家具職人として修行を積んだ彼はすぐに、型や 素材に関する知識と技術を生かし、たった1 枚の革から シームレスなレースアップシューズを創り出しました。その 洗練されたデザインはベル・エポックのサロンでたちまち 評判となり、アレッサンドロの名は広く知られるように なりました。この革靴「アレッサンドロ」をきっかけに、 メゾン・ベルルッティが誕生したのです。新しいフォルムを 採用し、とりわけ「デムジュール」と「ガレ」という アイコニックなデザインが加わったことで、耐久性に優れた この靴は長きにわたって愛されるアイテムとなりました。 誕生から1 世紀以上経った今でも、メゾンのスタイルを 体現する作品であり続けているのです。

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正真正銘の冒険

2013 年1 月。エコール・デ・ボザール（パリ国立高等 美術学校）の中庭を、ベルルッティをまとった20 人ほどの モデルが闊歩しています。創業から117 年、そして既製 靴の登場から数十年を経たこの年、メゾンは初めて、 アレッサンドロ・サルトリがデザインした本格的な プレタポルテコレクションを発表しました。ショーの主役と なったのは、パティーヌを施したブラックレザーのライダース ジャケット。ヴェネチアレザーを用いた美しいモデルは数多く 創られてきましたが、ブルゾンが登場したのは初めての ことでした。そこに使われた素材とサヴォアフェールは 2 つの時代の架け橋となり、ベルルッティの新たな道を切り 開いたのでした。

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時を経たパティーヌの風合い

オルガはこうしたアイデアを、どこで見つけてきたの でしょうか。彼女がもたらしたさまざまな発明の背後には、 明確なインスピレーションがありました。オルガは、月の 満ち欠けが皮革の脱色に作用するという話に着想を得て、 繊細に変化するカラーやコントラスト、そして透明感によって、 ヴェネチアレザーの美しさを引き出そうと考えたのです。